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多田昭先生 略歴

1938年(昭和13年)、香川県大川郡三本松町(現:東かがわ市三本松)に生まれる。香川大学晨学部卒業後、日本の貝類学研究の始祖である平瀬與一郎の流れを継ぐ。黒田徳米氏、菊池典男氏らに師事し、陸産貝類(カタツムリ)の研究を始める。

多田先生は、日本および台湾における陸産貝類(りくさんかいるい)の調査・分類に長年携わり、数多くの新種の発見に貢献してきた世界的なナチュラリストである。

陸貝(りくかい)の探索技術、微細な形態の観察、形質解析に卓越し、その新種発見の洞察力はしばしば「心眼の域」と評される。

とくに分類が難しいキセルガイ類や、微小(びしよう)カタツムリのゴマガイ類を専門とし、形態のわずかな差異を見抜くために軟体部の解剖や生殖器の比較を行い、これまで誰も気づかなかった隠蔽種(いんぺいしゅ)(見た目が似た別種)を複数明らかにしてきた。

代表的な成果として、アキラマイマイの発見が知られている。

シメクチマイマイの中に生殖器形態の異なるグループを見いだし、新種であると主張。その後、他研究者のDNA解析によって、多田氏の見解が正しかったことが証明された。

新種には、発見に閨わった人物を称えて命名される「献名(けんめい)」が行われることがある。

本日の展示標本の中にも、多田先生の名前が献名された種が数多く含まれている。