(10)避難所管理・運営
中小規模の自然災害による避難所の開設は、市の職員が参集して実施できる可能性が高いと考えられますが、規模の大きい地震災害では、市の職員も被災する可能性があり、地域で
開設し、予め計画している作業を迅速に実施していくこととします。
同様のことが各所で発生することから、避難所に集まった人の中で災害対応が可能な皆さんで手分けして計画を実施していくこととします。
以下の内容は、避難所運営マニュアルに詳しく記載しておりますので参照してください。
初動期の避難所活動では、多くのことを計画しておいても計画を習熟している人材が参集できない場合が予想され、混乱する可能性があります。
このため、作業メニューを以下のように単純化しておき、ある程度落ち着いた段階(発災後半日から1日程度)で地域住民と検討しておいた活動編を用いることとします。
これ以降の手順は、活動編に記載されていることと重複する点もありますが、いったん避難者が落ち着くまでの手順として理解してください。
1) 避難所の開設、避難者の受入れ、避難所の管理
大規模地震・津波が発生した場合は、大内公民館と社会福祉センターが避難所になります。必要な場合は三本松高校体育館も候補に考えています。避難所の開設に協力頂ける方はまず大内公民館の活性化協議会防災倉庫前に集まって下さい。
避難所開設のリーダーは、三本松地区活性化協議会の会長或いは防災部会長が担当することにしていますが、被災等で来られない可能性もあります。その場合は、発災後に大内公民館に集まって来た人の互選でリーダーを選んでください。
リーダーに選ばれた人は、集まった人の中から副リーダーと避難所に使用する建物・施設の安全確認チーム長、受付チーム長、区割り・誘導チーム長とチームメンバーを選び、防災倉庫から避難所運営マニュアルを取出して避難所開設作業にあたるよう指示します。
次いで、避難者受け入れ・運営に必要なトイレチーム、ペットチーム、救護チーム、要配慮者チーム、食糧・物資チームのチーム長を選び、作業を指示します。
作業の内容は避難所運営マニュアルに記載していますので、それに従って作業を進めるように指示します。必要資材も防災倉庫に集めておきます。
2)避難所とする建物の安全確認
大内公民館は耐震化工事を完了しており、社会福祉センターも同様に耐震改修工事が実施されています。
安全確認チームは、避難者が建物内に入る前に、「三本松地区避難所運営マニュアル」→「避難所を開設するための準備」→「避難所安全確認チェック表」(次項)に示された方法により、2つの避難所が大きな被害を受けていないかを確認します。
三本松高校体育館を使用する場合も同様の確認をします。
これらの避難所を同時に使用する場合は、大内公民館、三本松高校と連携して、一体的な運営を行います。
3) 避難所入所のための受付け(事前受付け、総合受付け)の設置
避難所の安全確認中に、受付け設置チームは、避難者の助けを借りながら、避難所の受付け開設の作業を開始します。
まず、避難者の交通整理を行い、避難所入口前で待機するように誘導します。また、大内公民館の玄関付近に事前受付け(感染症対策用)と総合受付を設置します。
詳細は「避難所運営マニュアル」の「受付(事前・総合)の設置」を参照ください。
コロナ感染症の恐れがある場合は、感染症対策を優先して実施し作業に当たります。
受付け設置作業が終了すると、同チーム長は受付け設置完了をリーダーに知らせます。
なお、避難所が安全確認チェックで使用できないとわかった場合にはその時点で作業を中止します。
4)避難所の区割り
区割りチームは、避難所の安全確認作業中に区割り作業の準備を行い、安全確認宣言が出されるとすぐに、避難所の区割りを開始します。
避難所の区割りはあらかじめ決めている方法に従って作業を行います。
詳細は「避難所運営マニュアル」の「避難所の区割り」を参照ください。
区割りが終了すると区割りチーム長は、区割り作業終了をリーダーに知らせます。
区割りチームは、避難者の誘導チームになり、リーダーの指示に従い、所定の位置につき避難者の誘導を担当します。
5)トイレの確保(ライフラインの確認)
避難所の安全確認宣言が出されてから、区割り作業開始とほぼ同時に、トイレチームは避難所の中に入り、トイレの入り口に「立ち入り禁止」のポスターを貼り、水洗トイレの使用が可能か、電源や上下水道の使用が可能かを調査します。
トイレが断水や排水配管の損傷で使用できない場合は、トイレを個室スペースとして使用するが、通常の使用は禁止し、便袋を使っての使用とします。
次いで、通常方法でのトイレ使用禁止と便袋を使っての使用方法につき、掲示します。
また、トイレットペーパーや掃除用の新聞紙、ごみ袋を各トイレに設置します。
衛生対策として掃除用のゴム手袋を用意しておくと便利です。
この作業が済んだら、チーム長はリーダーにトイレ確保作業完了を報告します。
大内公民館建物のすぐ東側には、マンホールトイレを6基設置可能です。
避難所開設後、落ち着いたら、避難者の助けも借りながらマンホールトイレを設置します。
6) 避難者の事前受付け・総合受付け
リーダーは区割り及びトイレの確保が完了し、受け入れ可能が判断された場合、避難者の受け入れ開始を宣言します。
宣言を聞き、受付けチームは受付を開始します。
まず、事前受付けで体温測定と問診を行い、感染症疑い者と健常者を区別し、感染症の疑いのある避難者と健常者の動線が交わらないよう、別々の場所に避難するようにします。
また、健常者でも、傷病者、要介護者、妊婦、乳児とその付添いの方も、通常の健常者とは別の部屋を用意します。
受付けの詳細は「避難所運営マニュアル」の「避難者の受入れ」⇒「避難者の事前受付け・総合受付け」を参照ください。
事前受付け、次いで、総合受付け完了者は、避難所入り口から避難所の中に進みます。
7)建物内に避難開始
誘導チームは、健常者避難場所と感染疑い者避難場所に分かれて、各避難所建物内の所定の位置で待機します。
まず、避難者を各々の避難場所の所定位置に誘導し、ここで、避難者の事前受付けカードを確認し、健常者であるか感染疑い者であるかを確認します。
感染疑い者避難場所では、感染疑い者誘導係は、感染疑い者の避難者分類(発熱者、感染疑い者=濃厚接触者)に従って、該当する場所に誘導します。
健常者避難場所では、健常者の避難者分類(健常者、傷病者、要介護者、妊婦、乳幼児)に従って、適切な場所に誘導します。
避難者は、誘導チーム及び要支援者チームの指示に従い、所定の場所に行き、割り当てられた場所に避難します。
この際に、部屋に備えているブルーシート(2m角=4m2)は自分たちで拡げ、床に敷いて使用します。
避難所内は土足厳禁になっています。
自分の履物はビニール袋などに入れて、居住スペースで保管してください。
落ち着いてから、履物用の名札の作成や、簡易な履物箱の作製を検討します。
8) 電源、通信手段の確保
通常の電源が使用できない場合、非常用電源で、夜間の照明や携帯電話、スマホの電源を確保します。
設置、使用の詳細は「避難所運営マニュアル」の「避難者の受入れ」の「非常用電源設備の確保」を参照ください。
通常電話機やスマホが使用できない場合、市や外部との通信は、特設公衆電話を使って行うことができます。
設置、使用の詳細は「避難所運営マニュアル」の「避難者の受入れ」の「特設公衆電話設置手順」を参照ください。
9)備蓄物資の確認と受け入れ・配布
食糧・物資チームは大内公民館、社会福祉センター、三本松高校、三本松コミュニティセンター等で保管している備蓄物資を確認します。
発災当日は備蓄物資以外に食糧や水などが入手できない場合も想定されます。
現在保管している物資の保管と管理、及び、市や総括チームと連携して避難者や他の避難所への物資の配布を担当します。
10)非常用貯水槽
上水の貯水槽は通常の貯水槽だけです。
水道が止まった場合、上水はこの貯水槽の中だけになります。
なお上水道の配管が損傷した場合は使用できません。
雨水の貯水槽は大内公民館の外階段の下にあります。
マンホールトイレの洗浄用に使用できます。
11) 要配慮者の避難状況の確認
三本松地区の民生委員や自治会長、福祉委員さんの協力を得て、要配慮者マップと要配慮者リストを活用して、地域の一人暮らしのお年寄りや体が不自由な方などの安否の確認を行います。
避難所で確認できない場合は、班を組んで、できる範囲で自宅などに声かけを行うことを検討します。
声かけ作業では、集合時間を予め決めておき、大内公民館やコミュニティセンターなどで確認作業の結果を持ち寄り、情報の収集を行います。
避難所に受入れする時も、誘導チーム、要配慮者チームは、随時、民生委員、自治会長、福祉委員の協力も得て、適切な場所にスムースに誘導できるようにします。
(発災当日、大変な混乱を経て少し落ち着いてきた段階)
12) 避難者名簿の作成
避難者カードから、避難者名簿を作成します。
地震災害など大規模災害の場合は、随時、避難者の出入りがありますから、毎日の異動を確認します。
避難者名簿の作成時においての注意点は、家族や親戚などが探している場合があることから、可能な限り携帯番号を記載し、避難所にいない場合でも、連絡がつく状態にします。
この名簿は、市の要請に基づき、市の災害対策本部に提出します。
提出方法は、電子メールを使用しますが、使用できない場合は、市の本部が収集作業を行います。
また、名簿の公表は、市が実施します。
13) 市本部との連絡
災害時の連絡網に従い、消防や警察など各関係機関に連絡します。
電話設備が被災したり、通信規制が実施される場合も予想され、消防団を通じて消防局と連絡をとったり、支所、出張所に設置している無線機を使用して、市の本部と連絡する手段をとることも検討します。
また、公衆電話器は、一般電話よりも災害時につながりやすい特性がありますので、地域内の公衆電話の場所について確認をしておくことが必要です。
14) 避難生活が長期に及ぶ場合の調理
災害支援物資が四国外から順調に輸送されだすまでには、2 日から 3 日かかるといわれています。
この間は、市や県の備蓄物資に加え、地域でも炊き出しなどの活動が必要になります。
災害時に利用できる炊き出し用の大型の鍋を準備しています。
また、コンロ、ガス器具、調理場などの設備を活用し調理を行います。
避難所運営が更に長期化し、大規模な給食体制が必要な場合は、被災していない学校の給食場などの使用を検討します。
15) 地域内物資の集配基地
物資などの集配は大内公民館及び大内社会福祉センターの既定の場所で行います。
この集配基地から、状況に応じて、物資などを地区内の他の避難所や在宅の避難者にも配付する必要があります。
この配付作業に協力を得られる人材や手順などなどを予め協議しておきます。
16) 地域外ボランティア参加
復旧活動が活発になりだすと、全国からボランティアが参加してきます。
この段階で、ボランティアセンターに委ねる作業は積極的に委ねて、地域の住民が休養することが大切です。
毎日のボランティアの仕事の仕分け作業自体も、ボランティアの協力を得て依頼するようにします。
ボランティアの部屋は、ボランティアが集まる頃を見計らって、大内公民館1Fの会議室(発災時は健常者と2階に行けない要配慮者の部屋)を利用するようにします。