2 活動方針
東かがわ市三本松地区活性化協議会は、地域住民や関係機関と協働して「防災から始める安全・安心まちづくり事業」に取り組んでいます。
この中で検討した平常時や災害時に実施すべき災害対応や、避難行動要配慮者(災害時要支援者)等への施策の実施を活動方針とします。
(1)平常時の対応
1) いざというときに地域の力が発揮できるよう、地域の全員が協力して防災意識の向上や、各種防災活動に取り組みます。
ア 防災知識の普及・啓発
防災対策では、地域住民の一人ひとりが防災に関心を持ち、建物の耐震化や非常持ち出し品などの準備することが重要と考え、地域住民への防災知識の普及や啓発活動を行います。
特に、発災時の減災のために各家庭での家具の固定化の推進にも取り組みます
イ 地域の安全点検
防災の基本は、自分たちの住むまちを知ることです。各自治会の自主防災組織と連携して地域の危険な場所や防災上問題のある場所や各種災害から安全性の高い土地や建物などを適切な方法で確認し、改善のための働きかけなどを行い、避難誘導活動に資する一時避難場所の適格な選定や指定緊急避難場所の災害適性について情報の共有化を進めます
ウ 地域特性に合ったコミュニティ継続計画の作成や防災訓練
三本松地区は、国道 11 号より南側は高台で、地震に強く津波が到達しない地域であるのに対し、北側は瀬戸内海に面し大規模地震による液状化や津波の襲来が予想されており、北側の要避難地域、中間の準避難・支援地域、南側の支援地域に大きく分けることができます。南側の地域には、ため池決壊で浸水が予想されている地区もあります。これらの各地域の自治会や自主防災組織と力を合わせて、コミュニティ継続
計画の作成や防災訓練を行い、三本松地区全体の減災に取り組んでいきます。
エ 津波対策
東かがわ市国土強靭化地域計画の(9)国土保全 <津波等からの円滑な避難を確保するための対策>に、「河川や海岸堤防等について、国や県が策定している「地震・津波対策海岸堤防等整備計画」に基づき、優先箇所から、堤防の嵩上げや液状化対策など地震・津波対策を行うとともに、地震発生時に適切な避難が行えるよう、避難方法等について、あらかじめ十分な広報・啓発を行う。」とあり、三本松港などで堤防のかさ上げ工事が順次行われています。発災時の堤防の門扉を閉めるなど地域住民でできる役割は、市と相談し、一緒に担っていきます。
オ 液状化対策
香川県の液状化危険度予測図によると、三本松地区の液状化危険度は前山地区など一部地区を除き A ランクです。特に、JR 線の北側の地区は液状化は起こりやすく、地面が沈下・陥没したり、地中から水や砂が噴き出したり、マンホールが飛び出したりして、避難道路が使用できなくなる可能性があります。対策として、主要避難経路に当たる大町三本松港線の補強、特に、JR 線から北側の部分の補強をお願いしていきます。
カ ため池水位低減へのお願い
各ため池管理者に依頼して、毎年 9 月から翌年 3 月の間、管内にあるため池の貯水位を出来るだけ下げて頂き、また、必要に応じて協定等を結んで、下流住民が安心して生活出来る環境の実現を図っていくものとします。
キ 防災資器材の整備と訓練
災害発生時に活用する防災資器材を調達整備し、日頃の点検や使い方についても消火訓練や救出救助訓練等を実施して確認します。
ク 衛生・安心
衛生面では、いざという時に必要な災害用簡易トイレの整備を進め、安心面では、避難所や留守宅を対象とした防犯対策のために、警察署や消防団と連携や見回りの方策について協議を行うこととします。
ケ 女性の積極的な参画
避難所における生活活動などについて、女性が生活のルール作りに積極的に取り組めるよう、組織作りの中で工夫をします。
2) いざと言う時に対応できるよう、市と協議して必要な整備を行います。
ア 大内公民館及び三本松高等学校などの避難所における非常用電源
避難所開設時には商業用電源が停電となる事が想定されるので、三本松コミュニティセンターで非常用電源2台(プロパンガスタイプ/発電量/使用時間、ソーラータイプ/発電量/使用時間)を準備し保管しています。また、大内公民館でもカセットボンベタイプ(発電量/使用時間)を保管しています。今後も設備の拡充と使い方の訓練を進めます。
イ 非常用貯水槽の設置
大内公民館避難所に災害時非常用貯水槽を要望します。
ウ 大内公民館等の避難所での非常用トイレの設置
すでに大内公民館に災害時対応トイレ(マンホールトイレ)が 6 基設置されており、三本松高等学校にもマンホールトイレを設置できるように市に要望していきます。
エ 応急仮設住宅建設用地及び災害ごみ集積場所の確保
地区内の公共広場等の管理者と事前に協議を行い、あらかじめ候補地を選定しておくものとします。
(三本松高校グランド等、文教施設のグランド等は不適の指摘があるがどうするか
オ 木造家屋倒壊危険区域内での危険度低減
気象庁から南海トラフ地震に関連する情報(臨時)が発信され、時間的余裕がある場合は、行政、水利関係者と協議して、ため池水位の低下を図り、木造家屋倒壊危険区域の解消を目指します。
(2)災害時の対応
災害時は、負傷者の発生や火災など様々な事態が発生する可能性があります。津波発生の場合は津波避難を優先させ、各自治会の自主防災組織と協力し、公共機関とも連携しながら、みんなで力を合わせて次の活動を行います。
ア 情報の収集・伝達
公共機関などから津波情報などの正しい情報を収集し、地域住民に伝達します。また、地域の被災状況や火災発生状況などを取りまとめ、防災機関へ報告します。
イ 救出・救助活動
自分自身がケガをしないよう注意しながら、近隣住民みんなで協力して負傷者や家屋の下敷きになった人の救出・救助活動を行います。
ウ 初期消火活動
津波の避難を優先しながら、火災の延焼拡大を防ぐ初期消火活動を行います。
エ 医療救護活動
津波の避難を優先しながら、負傷者の応急手当をして、避難所、救護所へ搬送します。
オ 避難誘導
自身の避難を優先しながら、率先して地域住民を安全な避難場所などへ誘導するとともに避難活動の支援を行います。
カ 給食・給水活動
備蓄物資や避難所に届いた支援物資を把握・仕分けし、公共機関とも連携しながら、炊き出しなどの給食・給水活動を行います。
キ 警備活動
避難所における安全・安心環境を維持するために防犯活動を行います。
ク 女性の積極的な参画
避難所の更衣室や授乳所、トイレ問題などに女性が参画し生活のルール作りに積極的に取り組めるよう、対応組織の中で調整します。
(3)「災害時要配慮者」(以下「要配慮者」という)等への支援
災害時に大きな被害を受けやすいのは、一般的に災害弱者といわれている高齢者や障がい者、子どもなど、人の助けを必要とする人(要配慮者)です。こうした要配慮者を災害から守るため、民生委員や各自治会長、福祉委員と協働して、要配慮者や災害時の救護者の状況を確認しながら、みんなで協力して支援を行っていきます。
ア 要配慮者の身になって、防災環境の点検・改善を行う
個人情報を遵守できる条件と環境の下で、地域の要配慮者と支援者の状況を把握し、目や耳の不自由な人にも、警報や避難情報がきちんと伝えられるか、避難経路等に障害物や危険な場所はないかなどを具体的に点検し、防災環境の改善に努めます。
イ 避難するときは、周辺に呼びかけてしっかり誘導する
隣近所の助け合いが重要です。要配慮者の状況を基にそれぞれの避難に必要な支援者数を決めておきます。
ウ 困ったときこそ温かい気持ちで接する
非常時こそ、不安な状況に置かれている人にやさしく接する必要があります。困っている人や要配慮者に、思いやりの心を持って接します。
エ 日頃から積極的にコミュニケーションを図る
いざというときに円滑に支援ができるよう、日頃から積極的に要配慮者とのコミュニケーションを図ります。
オ 家具の固定の推進を図る
災害リスクが高い地域に住む被災の可能性が高い65歳以上の要配慮者(要介護・要支援者及び独居世帯等)の寝室や居室等の家具固定対策を、東かがわ市、地域の民生委員や自治会長等と協働しながら優先的に推進していきます。